花粉症というと目と鼻の症状だけのように思われています。
しかし、目と鼻ばかりではありません。次に挙げるような全身症状が出ることがあります。
特に、アトピー性皮膚炎患者では目と鼻の症状に加えて皮膚症状も憎悪する人がいます。
さらに、最も気づきにくいのですが、目と鼻の症状がないにも関わらず、特定の花粉の時期に皮膚がカサカサしたり、全身の皮膚症状が悪化する人もいます。
しかし、目と鼻の症状が出ていないので、自分は花粉症とは無縁だと考えがちです。
いろいろな花粉の飛ぶシーズンを花粉カレンダーで確認し、自分の湿疹や他の自覚症状の憎悪する時期と一致しているものがないかチェックしましょう。
できれば血液検査(IgE RAST)、皮内テストを施行し、その花粉のIgEアレルギーがあれば花粉による症状(皮疹の憎悪など)である可能性が濃厚です。
そのときはその花粉の飛ぶ季節における対策を立てましょう。
花粉は濡れていると殻が破れて内容物が漏れだすので、降り始めの雨は花粉エキス入りの危険な雨粒となります。
アトピー性皮膚炎の人は降り始めの雨に濡れないように注意しましょう。
また敏感な花粉の時期に戸外で汗をかくことも危険です。
花粉症の症状
花粉症の全身症状(斉藤洋三:花粉症の最新治療、主婦と生活社より一部改変)
- 頭痛(15%)・頭重(56%)
- 目のかゆみ
- 耳のかゆみ(20%)
- くしゃみ、水性鼻漏、鼻閉
- 喉のかゆみ(48%)
- せき込む(30%)
- 胃腸障害、食欲不振(5%)
- 皮膚のあれ、湿疹、皮膚炎
二次的に起こる全身的な症状
- 倦怠感(33%)
- ボーッとする(44%)
- イライラする(20%)
- 意欲低下、うつ
- 不眠(32%)
- 熱っぽい(24%)
- 寒気(15%)
花粉対策
- 花粉のよく飛ぶ条件を知っておきましょう。
- 天気の良い日(湿度が低いと花粉がサラサラして飛びやすい)
- 風の強い日
- 雨の日の翌日(2日分の花粉が飛ぶ)
- 午前10時~午後4時
- 外出時の注意点
- その日の花粉飛散情報をテレビや新聞などで確認しましょう。
- 原因となっている植物が繁茂している地域には近寄らないにしましょう。
- マスク、花粉症用眼鏡(あるいは度の入っていないメガネ)
- 室内に花粉を持ち込まない工夫を家族全員がしましょう。
玄関で衣類を払う、すぐに風呂に入って身体や髪についたものを洗い流す。 - 室内の花粉の減らし方。
こまめに掃除する・空気清浄機を付ける。 - 雑草が原因なら自宅周辺の雑草を開花直前に刈り取る。
花粉と食物
●イネ科花粉症はイネ科の食物、特に小麦が症状を悪化させる傾向が強く、イネ科花粉の季節にパンやうどん、フライなどを食べて運動して、強いアレルギー症状を起こす人が目立ちます。
5~7月の季節は小麦の摂取量を減らすように注意しましょう。
その他イネ科の油(米油、コーン油)およびその加工品も気をつけましょう。
●ヨモギの花粉のアレルギーがある場合は、草団子のヨモギを食べても、アレルギー症状を起こすことがあります。
キク科花粉症の人はキク科の植物からとった油(紅花油、サフラワー油)はアレルギーを悪化させる誘因となるので食べないようにしましょう。
参考サイト:鼻のおまもり(別ウィンドウが開きます)