花粉症の治療の前に…花粉症にかかりにくい体にするために
花粉症の治療には、原因となる花粉対策が最も重要であることは論を俟ちません。
しかし、風呂おけモデルで考えてみて、他の蛇口を少し締めるだけで花粉症がうんと軽くなる場合が少なくないのです。
睡眠不足や過労、食事の偏り、ペットや寝室の環境などを改善するだけで花粉症が改善することも多く、患者さんは「いつの間にか治りました」とよく言います。
特に食物アレルギー(フードアレルギー)と寝室の環境整備を入念に行います。
一人ひとりの生活環境・職場環境を聞き出し、問題点を探し出して行く作業はここでも重要になります。
薬物療法に頼り切らないことは言うまでもありません。
花粉症の薬物療法について
1:漢方薬
本治(根本的に体質を改善する)・標治(今ある症状を緩和する)の漢方を、患者さんごとに適切な漢方薬を選びます。
当クリニックでよく用いる漢方薬は、標治としては苓甘姜味辛夏仁湯・小青龍湯・越婢加朮湯・麻黄附子細辛湯・葛根湯加川芎辛夷・桔梗石膏・葛根湯・小柴胡湯加桔梗石膏・辛夷清肺湯・桂麻各半湯などです。
本治として、上記の漢方以外に補中益気湯・柴胡桂枝湯・柴胡桂枝乾姜湯・柴胡清肝湯・荊芥連翹湯などを使います。
抗アレルギー剤
約20〜30種ある抗アレルギー剤の中から眠気の少ない効果のある薬を患者さんごとに選びます。
減感作療法
HD・ダニ・花粉(スギ・カモガヤなど)、1〜2週間ごとに減感作療法を行います。
潜在性感染症が隠れています。
鼻腔・副鼻腔・扁桃・咽喉頭部にウイルス(サイトメガロ・EBなど)、細菌(結核菌・クラミジア・緑膿菌など)、真菌(カンジダなど)が隠れていることが多く、花粉症を難治にさせています。
各病原微生物に対して、ここでも本治(免疫力アップの漢方)、標治(原因に対して効果のある漢方)などの漢方を用いて治療します。
点服薬・点鼻薬
点服薬・点鼻薬も症状に応じて適切なものを選んで、適宜使用します。