じんま疹と湿疹の違い
一般の患者さんには湿疹とじんま疹の区別が難しくてわからないことがありますので、簡単に説明します。
簡単に言うとじんま疹は、蚊に刺されたみたいにミミズ腫れに膨らんで(浮腫・膨疹)、痒い発疹が体のあちこちにできます。
多くの場合、2〜3時間であとかたもなく消えます。
しかし、場所を変えて次々と出てきます。
掻いているうちに、掻いたところもじんま疹になったり、広がって隣のじんま疹とひっついて大きな地図状になることがあります。
しかし、消えてしまえば元の正常な皮膚に戻ります。
(重症・難治性の時には、何日も続くこともまれにありますが、掻き壊すことは少ないです。)
一方、湿疹は同じ場所で何日も続きます。
蚊に刺されたようなミミズ腫れではなく、丘疹(ブツブツ)であったり、紅斑(赤み)であることが多いです。
そして長引いてくると、掻いているうちに悪化し、出血したり、ジュクジュクしたり、ゴワゴワしてきます。
じんま疹のようにすぐに消えて正常な皮膚に戻ることはなく、治りかけの時には色素沈着や落屑を伴います。
じんま疹について
じんま疹には原因別で見ると、食餌性じんま疹・機械性じんま疹・感染性じんま疹・寒冷じんま疹・温熱じんま疹・日光じんま疹・コリン性じんま疹・接触じんま疹・自己免疫性じんま疹などさまざまなじんま疹があります。
臨床経過から見ると急性じんま疹は感染症などが契機となって約1週間で治癒するものです。
慢性じんま疹は、じんま疹が1ヶ月以上続く場合を言います。
最も頻度の多いのは原因不明の特発性じんま疹と呼ばれるじんま疹です。
このタイプのじんま疹では原因追求をあまりせず、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤などを漫然と飲み続ける場合が多いようです。
当クリニックでは、抗アレルギー剤等で症状を抑えつつ、漢方薬で体質改善を図り根気強く原因をつきつめていきます。
少しずつ悪化要因を少なくしていくことで内服が必要なくなることがほとんどです。
あきらめないでください。